もみじの永観堂 境内を染め上げる紅葉

もみじの永観堂として知られる禅林寺は、863年に真言密教の寺として始まりました。
禅林寺が大きく発展したのは永観律師の時代で、恵まれない人々のために境内に施療院を建てるなどしたことから民に慕われ、いつしか永観堂と呼ばれるようになりました。

『古今和歌集』で「おく山の岩垣もみぢ散りぬべし てる日のひかり見る時なくて(※)」と詠まれるほど古くから紅葉の名所である永観堂は、秋の京都観光でぜひ一度は訪れるべき場所と言えるでしょう。
※藤原関雄の歌。日の光を浴びることなく散っていくもみぢを世間に出ることのない自身の境遇に重ねている。

本尊の阿弥陀如来像は、顔を左後ろへ向ける独特の姿から「みかえり阿弥陀様」と呼ばれ、永観を振り返ったという伝説に由来しています。
阿弥陀堂をはじめとする古建築と美しい庭園が調和し、境内を染め上げる紅葉がその美しさをいっそう印象深いものとしています。

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